アルプス銀座7泊8日の旅 2日目(後半)
2日目:烏帽子小屋→野口五郎岳→水晶岳→ワリモ北分岐→ワリモ岳→鷲羽岳→ワリモ北分岐→祖父岳→雲ノ平(泊)
10:30水晶岳山頂に到着。赤牛岳とその先に広がる後立山連峰、裏銀座と表銀座、黒部五郎岳と、その近くには薬師岳。もちろん鷲羽岳や槍ヶ岳も見えます。名だたる名山に囲まれた360度の大パノラマ。息を飲み、言葉を忘れてしまう風景が広がっていました。
山頂で撮った自分の写真、良い笑顔でした。いつも自分で見返しても、作り笑いっぽくて好きになれないんだけど、このときはよほど嬉しかったのでしょう。
そのまま赤牛岳まで歩きたかったけれど、今回は我慢。水晶小屋に戻ります。今日の予定では、あとはワリモ北分岐から祖父岳を経由して雲ノ平に行くだけ。
ワリモ北分岐に到着。デポされてるたくさんのザックを見て「折角天気が良いのだから、鷲羽岳にも登っておこうかなあ」と心が揺らぐ。結局欲を出してピストンすることにしたのですが、これがこの日の時間オーバーの元凶となるわけです。
危険な登山道ではないし時間もそこまでかかりませんでしたが、どうせ何日かあとで三俣山荘あたりに来るんだからそのときで良かったかもと少し後悔。弱気になった自分を叱咤して12:00に鷲羽岳山頂に到着。
残念ながら槍穂高は雲の中でしたが、代わりに水晶岳やその先、後立山連峰が良く見えました(後立の写真は後日もう1度鷲羽岳に登ったときに良く撮れたので、そちらで)。
山座同定をしてたら思いのほか時間が経ってしまい、再びワリモ北分岐に着いた頃にはお昼を過ぎてしまいました。雲ノ平到着は14:30と予定しており、少しでも早くとコースタイムは稼いできたのですが、これでチャラに。それどころか時間をオーバーしている形になりました。
急いで祖父岳に向かいますが、この祖父岳までの道が長いのなんのっ て。地図で見ると大したことないのに、既に8時間以上歩いて来たためか疲労が溜まり、なかなか歩が進みません。おまけに念のために持ってきたストライクアラート(雷探知機)も鳴り出す始末。焦りに焦って13:53分、なんとか祖父岳に到着。広い山頂で景色はとても良かったのですが、濃霧時には道迷いが怖そう。
祖父岳からは木道を緩やかに下っていきます。眼下には既に雲ノ平のテントサイトが見えてるのに歩けど歩けど一向に近づきません。前は直で下れたようですが、今は植生保護のために木道で迂回する道になってるみたい。
祖父岳分岐を経て、雪渓を横切り(アイゼンは使用しませんでした)、15:00ようやく雲ノ平のテントサイトに到着。長かった~!そして急いで張る場所を探しますが、さすがにこの時間、平らな場所は殆ど張られており、あるのは大きな 岩がゴロゴロしてる所のみ・・・。同時刻に到着した人たちと「こりゃキツイっすねえ・・・」と話してると、一箇所平らな場所を発見。しかし水場が近いためか、水がちょろちょろ流れてる場所です。絶対底冷えするから普段だったらまず張らないけど、もう四の五も言ってられないのでここに決定。まあ夏だし凍死はないで しょ。
雲ノ平のテントサイトは、早く到着しないと快適な張り場は残ってないと思うけど、水場は水量豊富で冷たくて美味しいし、すぐ近くには黒部五郎岳がどーんと構えていたりとロケーション抜群。ただ、思ったより"日本最後の秘境"っぽい感じはしなかったかな。自分の中でイメージを膨らませすぎたのかもしれません。
この日は疲れたので晩ご飯は小屋で取ることに。雲ノ平山荘ではお金を払えば小屋泊じゃなくても晩ご飯を食べることが出来ます。申込みは16時ぐらいまでだったので、テン場の申込みがてら木道を通って山荘に向かいます。
しかし山荘まで20分はやっぱ長い・・・やっと小屋に着くと、ツイッターのフォロワーさんとばったり遭遇。でも、「え!?こんなところで会うなんて!」と いうより「ああやっぱここに来てたのね」という感想でした(失礼w なんとなーくこの辺歩いてるんじゃないかなーと予想してました)。新穂高から双六経由でここまで来て、高天ヶ原の温泉に入ってきたそうです。僕も高天ヶ原には行ってみたかったけど、予備日を使うわけにもいかなかったので今回は断念。でも話を聞く限り一度は行ってみたいな~。晩ご飯まで時間があったので、暫くお話していました。ドコモの電波入る場所も聞いたので、夕飯前に行ってみることに。
雲ノ平山荘から高天ヶ原へ向かって30分ほど、山と高原の地図上では雷岩と表示されてるあたりかな。微弱だけどドコモの電波が入りました。天気予報を見て、しばらく晴れが続くことを確認。正直今回の縦走で1日ぐらい悪天を覚悟してたのですが、どうも終わりの日まで心配しなくても良さそうな雰囲気です。太平洋高気圧万歳。
一度テントサイトに戻り、時間が来たので再度雲ノ平山荘へ。山荘の晩ご飯は確か鍋だったと思う(何鍋か忘れちゃった)。おかわり自由だったから何杯も食べました。重たいお腹を揺すりながら、また長い時間かけて自分のテントに戻ります。この日だけで何回この木道通ってるんだろ・・・。見事な夕暮れを眺めてから、遅めの20時就寝。
その4へ続く