アルプス銀座7泊8日の旅5日目
黒部五郎小舎→三俣蓮華岳→鷲羽岳→三俣蓮華岳→双六岳→双六小屋(泊)
縦走5日目の朝。2:30起床の4:00出発。この日は双六小屋まで到着出来れば良かったので、3日前に登った鷲羽岳を三俣側から登ってみることに。そうすれば一応裏銀座を通して歩いたことになりますし。
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H13 北アルプス縦走(7泊8日)day5~6 | Flickr
キンと冷えた夏の夜明け前、熊が出そうな薄暗い樹林帯を独りで登って行く。時折ヘッドライトを消して、真っ暗な樹林帯の中で立ち止まって耳を澄ます。聞こえるのは風が樹を揺らす音と、鳥たちのさえずり。ヘッドライトを頼りに歩くこの時間がとても怖くて、そしてたまらなく好きだ。
暫く登っていくと、やがて視界が開け稜線に出た。何となく予感してたけど、少し明けてきた空は、薄い空色とほのかな桃色のグラデーション。夜明け前にこういう空が見える日は、快晴を予感させてくれる。
朝露に濡れるチングルマを横目に更に登り続け、一時間半ほどで三俣蓮華岳山頂に到着。槍・穂高は逆光で見えにくいけど、雲一つ無い素晴らしい天気。これは、是非鷲羽岳にも登らねばなるまい。
三俣蓮華岳から一度三俣山荘に下り、気持ちの良さそうなテントサイトを通って鷲羽岳の登りへ取り付く。ワリモ岳から来たときとはちょっと違う趣の登山道。こっちのほうが登りやすかったかな。
7:20鷲羽岳頂上へ。これ以上ないってくらい澄み渡った空の下、通ってきた裏銀座の面々や槍・穂高連峰、笠ヶ岳に御嶽山、乗鞍岳。立山や後立山連峰もハッキリ見えて、もう最高でした。興奮して写真を撮りまくったり、近くにいた人と山座同定したり、かなり長時間滞在してしまいました。
名残惜しみつつ三俣山荘に下ると、ちょうどヘリの荷揚げの最中。スタッフの方がハイマツに干していた布団を全て取り込み、近くの登山者に注意喚起してます。僕も小屋に暫く入ってましたが、いやはや凄い音でした。
小屋でバッジを購入して、少しこのあとのことを考える。三俣蓮華岳に登らなくても双六岳・双六小屋までは行くことが出来る。そっちのほうが楽だし・・・。でもこんな良い天気の日に、目の前にピークがあるのに登らないなんてありえない。
青空に誘われるまま再び三俣蓮華岳に登ったあとは、なだらかな稜線を伝って1時間ほど空中散歩。10:45に双六岳山頂に到着。広い山頂はとても開放的でいつまでもここに居たかったです。
そして本当に良かったのはそのあと。正面に槍ヶ岳を見据えながら、こんもりとした稜線を双六小屋に向かって歩いていくのだ。これが本当に気持ちが良かった。
11:40、双六山荘到着。寄り道しながら行ったわりには、結構早めに着いた。
双六小屋のテントサイトは池に面した広く開放的な場所。選びたい放題の場所から、なるべく端のほうにテントを張ってこの日の行動は終了。因みにこの日は夕方近くになってもテントが張られ続け、最終敵には写真のように凄い数のテント村となりました。
明日はいよいよ西鎌尾根を通って槍ヶ岳へ。半年間温め続けてきた、この山行計画のいわばメインとなる山。想い続けてきたピークを前に、期待で高鳴る胸を落ち着かせつつ、この日は眠りにつきました。
その7へ続く