wanderer's soliloquy

趣味について雑多に書き綴ります

日本最南端の百名山に登る(屋久島・宮浦岳)

 4月5日から3泊4日の日程で、かねてより憧れていた屋久島に行ってきました。目的は屋久島主稜のピークハント、及び縄文杉・白谷雲南峡のトレッキングです。なかなか踏み切れなかったのですが、去年から登山をはじめて体力的にも精神的にも余裕ができたので、今回思い切ってチャレンジしてみることにしました。

宮之浦岳と彩雲

▼山行写真はこちら▼
120405 屋久島1日目(屋久島空港、淀川小屋) | Flickr
120406 屋久島2日目(花之江河、宮之浦岳、永田岳) | Flickr

4月5日:8:05 羽田空港鹿児島空港→11:15 屋久島空港→13:00 空港前バス停
   →14:15 紀元杉バス停→15:00 淀川登山口→淀川小屋(泊)

4月6日:5:00 淀川小屋→6:55 花之江河→7:15黒味分れ→7:40 黒味岳
    →8:37 投石岩屋→10:10 栗生岳→10:30 宮之浦岳山頂→11:10 焼叉三叉路
   →12:10 永田岳山頂 →13:10 焼叉三叉路→15:20 新高塚小屋(泊)

 費用を抑えるため3泊のうち2泊は登山道途中にある無人小屋での宿泊を予定。その結果、食糧・寝具・テント・その他雑多な山道具を詰め込んだザックの総重量は20kg超となってしまいました。

 4月5日早朝、ザックの重さにふらつきながら八千代から電車で羽田空港へ。十数年ぶりに乗る飛行機に戸惑いつつも、無事に屋久島に到着。

鹿児島空港にて

屋久島空港

 チェックアウトを済ませ売店でガス缶(プリムス)を購入し、バスの時間までその辺でお昼を食べて時間を潰しました。定刻通りに来たバスに乗車し、紀元杉バス停で下車します。紀元杉を少しだけ散策したあと、淀川登山口へ。ようやくスタートラインに立てました。

DSC_4254

淀川登山口

 淀川登山口から1時間半歩くと淀川小屋に着きます。静かな森のなかの淀川小屋は雰囲気がありましたが、ちょうど数日前に通過した爆弾低気圧の影響か?小屋の中は想像以上に寒かったです。夕食を食べようとしたときに明日からの朝食(2食分)を忘れたことに気づき愕然、朝食に回すために簡素な食事を済ませて18時にはさっさとシュラフに潜り込んでしまいました。

木道

淀川小屋

 翌朝は3時に起床。朝食の準備に外に出てみると、月が出ているのに星が良く見えました。5時に淀川小屋を出発し、未だ暗い登山道をヘッドライトで照らしながら歩きはじめます。

屋久島初日の御来光

 木々の間から見えた御来光に元気を貰いつつ進んでいると、花之江河に到着しました。噂に違わぬ清廉とした場所で、トーフ岩やこれから登る黒味岳が良く見えました。空はどこまでも青く、これから登る山々からの素晴らしい眺望を予感させてくれます。

小花之江河

古木

DSC_4341

 次の目的地は黒味岳。黒味分れから西に向かい、木々を掻き分け、ロープで岩をよじ登り(屋久鹿と鉢合わせしお互い吃驚しました)、凍結してつるつる滑る岩の上を進みつつ30分、苦労しつつも黒味岳山頂に到着しました。青い空を背景に永田岳や宮之浦岳、そして眼下には通過してきた花之江河と大パノラマの絶景を堪能出来ました。立っていられないほどの強風だったので、写真を撮ってすぐに引き返します。

黒味岳山頂からの眺め

 黒味分かれまで戻り暫く進んでいると、やがて森林限界を突破し、いよいよ稜線に出ます。登山道のあちこちに湧き水が流れ、また奇妙な巨岩が点在している不思議な風景でした。天気が良くて気持ちよく歩けます。

水を湛えた登山道

DSC_4402

 強い風にあおられながら、投石岳・安房岳・翁岳を巻いて栗生岳を経由しつつ、とうとう宮之浦岳山頂に到着しました。空はどこまでも晴れ渡り、屋久島の山々はおろか遠く種子島や硫黄島まで景色を一望でき、「洋上のアルプス」を思う存分堪能しました。

DSC_4403

宮之浦岳からの眺め

宮之浦岳山頂

 絶景を堪能したあとは、焼叉三叉路を経由して永田岳方面に向かっていましたが、途中で幸運にも彩雲を見ることが出来ました。逆光で少し影になっている宮之浦岳と、その頂上付近にかかる色鮮やかな彩雲のコントラストは、言葉にできないほど美しかったです。

彩雲

 思わぬ光景に足取りも軽く、大きな岩をいっきに登り切り永田岳山頂に到着しました。宮之浦岳山頂に引き続きここでも素晴らしい景色を見ることができ、先程の彩雲も含めて思わず屋久島の神様(?)に感謝してしまいました。

歩いてきた道

永田岳山頂からの眺め

永田岳山頂からの眺め

永田岳山頂にて

 あとは新高塚小屋を目指すのみ。稜線が終わり、今度は樹林帯の中に入っていきます。途中で出会った屋久鹿に道案内されながら歩いていると、淀川小屋を出てから10時間、新高塚小屋に到着しました。

新高塚小屋

 余力があればこの先の高塚小屋に行こうと思っていましたが、開けた場所に作られた比較的新しいこの小屋が一目で気に入り、今日はここに泊まることにしました。因みにこの日は私を含めて登山者は3人のみで、小屋の中が寒かったのは言うまでもありません。

新高塚小屋のウッドデッキ

屋久鹿

新高塚小屋のベンチにて

縄文杉・白谷雲水峡、西部林道の話は下記リンクを参照して下さい。

lapradei.hatenablog.com